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いけだあきらのつぶやき

2018/4/2

 - 新しい年度のはじまり -


今年は、桜が例年より早く開花したようですね。

私の近所にも沢山の桜があり、移動の際、わざわざ桜の多い場所を選んで愉しんでいます。

昨日は、行ったことのない桜の名所にも行きました。


さて、新たに平成30年度がスタートしましたが、商いをする際の【事業年度】をご存じですか?

                        

<個人の場合>

Q1)事業年度は?

 1月1日~1231

Q2)確定申告の期限は?

 315


<法人の場合>

Q1)事業年度はいつまで?

 法人が決めた日(=決算日)

Q2)確定申告の期限は?

 決算日から2ヶ月後


個人は、「暦年課税」といって、事業年度を自由に決める事は出来ません。よって、個人でお商売されている方は、必ず315日迄に確定申告をしなければなりません。一般の納税者(年金受給者やサラリーマンの方など)も同じのため、我々税理士業界の繁忙期は、必然的にこの時期となります、、、


一方、法人は自由です。

「え?自由?」と、びっくりされる方は多いですね。現実には、様々な要因により331日の会社が多い(その場合、531日が確定申告期限)のですが、半年違いの930日や、個人と同じ1231日を決算日にする法人もよくあります。

ちなみに、決算日は末日でなくともOK。20日でも構いません。もし今月の420日が決算日なら、620日が確定申告期限となります。また、期間も1年でなく半年でもOK。


一般に、決算月は、繁忙期や売上げの多い月、棚卸しの多い月は避けるべきとか、確定申告の月(※法人税の納付が必要)とキャッシュアウトの多い月は重ならないようにすべき等々、、、色々な見解があります。

自由とはいえ、決算日は様々な事に関わってきますので、よく熟考しましょう。


皆様にとって、良き新年度でありますように。

 

 2018/05/09

- 事業承継にまわる個人の税金 -


GWはあっという間でしたね。

祝日が多いと嬉しいものの、そのあとの予定がタイトになりがちです。


さて、ここ最近、事業承継の話が世間を賑わすようになってきました。

 ※税法のトピックス:平成304月に改正された「特例事業承継税制」がスタート


個人の事業承継の場面では、どういう税金が発生するかご存じですか?


<例>

経営者:父(個人事業主)

事業承継予定者:息子

お店の建物:父名義で所有


既にお店の経営は息子が舵取りを行っているものの、建物は父名義のままです。

父名義のままで「息子が父に家賃を払う」といった手法もありますが、息子に名義変更する場合を考えてみましょう。


<父の存命中に変更する場合>

①タダで、息子にあげる

②息子からお金を貰って、息子に売る

<亡くなった後に変更する場合>

③タダで、息子が相続する


どうですか?

①が一番良いと思いますよね。息子からお金を貰う必要もないしタダであげるよ、と。

②だと、親子間で、敢えてお金を払うわけです。

③の場合、父が亡くなるまで待つ必要があります。


この場合に、想定される税金は、

①贈与税

②譲渡所得税

③相続税

となりますが、この中で一番税金が高いのは、①贈与税です。

タダで貰った息子が、高い贈与税を負担することとなります。


「タダなのに、なんで?」と思いますよね。

理由は、③相続税の存在です。③相続税とは、ある一定以上の財産を持っている方が亡くなられた場合、財産を受け取った相続人が負担する税金です。


もし、①贈与税がなければ、どうしますか?

みなさん、相続税が発生する前(=存命中)に、財産を子供達に移しますよね。つまり、①贈与税がなければ、③相続税は有名無実化します。

そこで、税法では、①贈与税という「③相続税より【高い】税金」を課しています。

言ってみれば、相続税逃れによる不平等を防止するための補完として、贈与税があるわけです。

贈与税の非課税は、年間で110万円です。110万円を超える財産(お金や不動産、株など)をタダであげてしまうと贈与税が発生します。


このことが、実際の事業承継で障壁となります。

おそらく、事業承継の際に、相続税の負担を免れようと思って息子に財産を譲ろうと思っている経営者はいないと思います。

「もう息子も立派になったし、自分はそろそろ引退して、お店の建物は息子にあげよう」と。

 

一方、相続税の非課税は「3,000万+600×相続人の数」です。奥様と子供2人なら、4,800万円までは無税となります。

「じゃあ、父が亡くなる迄、建物は父名義のままにしておくか、、、」というパターンが出てくるわけです。

この贈与税ばかりに目が行くと、父の財産はいつまで経っても、次の代に移行しません。


これは、経済面からみると、とても不効率なことです。

経済の為には、お金を使う機会の少ない高齢者よりも、お金を使う機会の多い現役の世代に財産を移した方が良いのは自明の理です。

もちろん、このことは、国も十分に理解しています。


というわけで、、、

実は、贈与税の特例として、以下のような制度があります。


直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税


これらは、【生前における贈与を促進】するための制度で、ここ数年に新設・拡充されました。

冒頭に記載した「平成30年度 事業承継税制」もその一環です。


税金の公平さを維持するための贈与税の存在が、反って、事業承継を阻害し、経済に悪影響を与える結果に、、、

このように、税金と経済はいつも仲が悪いんです。

 

 2018/6/25

意外と知らない、創業時に確定申告をすることの特典

 

仕事柄、創業前や、創業間もない方の相談を受けることが多々あります。その際、「税務申告(=確定申告)は、儲かり始めてからすれば良い」と思っておられる方が意外に多くおられます。果たして、そうでしょうか?

法律上の話をすると、儲かっていようと儲かっていまいと、税務署に開業届を提出する必要があります。


ところが、初年度は大概赤字になることが多いです。そのため、多くの方は、どうせ赤字で納税額もないし、確定申告書を提出するのも面倒だから、、、となるわけです。

⇒実は、赤字であっても、初年度からキチンと確定申告書を提出すると様々なメリットを享受出来ます



<その1/給与から天引きされた源泉所得税が還付される>

創業した初年度というのは、年の途中迄、雇用されていた方が殆ど(所謂、脱サラによる開業)です。

このサラリーマン時代の所得税ですが、例えば、独身の方ですと、お給料が月88,000円を越えると所得税が天引きされています。月250,000円位のお給料だと、源泉所得税の額は約6,500円。

 → もし、10ヶ月間勤務していたならば、既に約65,000円の所得税を納めている

この天引きされた源泉所得税の額というのは、12ヶ月間そのお給料を貰い続けた場合(月250,000円であれば、年間3,000,000円の給与収入)に納めるべき所得税の【予想値】を12で割った額の近似値に設定されています。言ってみれば、所得税の前払いです。


話を分かり易くするため、①単なる転職の場合、②起業の場合、を比べてみましょう。


「①10ヶ月勤務して、転職のため一時的に無職になった場合」

年内に再就職先が見つからない場合、確定申告をすると、天引きされた所得税の一部が還付されます。具体的には、 月250,000円位のお給料で10ヶ月間勤務したので、年間2,500,000円の給与収入で計算します。
 → 正しい年税額は、約60,000円

ところが、既に約65,000円の所得税を納付済
 ⇒ よって、差額の 約5,000円が還付


「②10ヶ月勤務して、起業した場合」

開業の初年度は赤字の場合が殆どです。実は、この赤字は、給与所得と通算することが出来ます。

所得税というのは、1年間に得た個人の所得を全て合算して計算するので、いわゆる脱サラをして開業した場合には、サラリーマン時代の「給与所得」と開業後の「事業所得」を合算して算定します。
 ※給与所得に赤字という概念はないが、事業所得には黒字もあれば赤字もある

 → 事業所得が赤字の場合に給与所得と通算すると、全体の所得が減るので、還付額が増える!

たとえば、上記の場合(年間2,500,000円の給与収入)、開業した初年度の事業所得が、△1,200,000円以上の最終赤字になると、サラリーマン時代に天引きされた【65,000円全額】が還付されます。


このように、損益通算による恩恵を受けるためには、「開業しましたが、赤字です」という事業所得の確定申告が必要なわけです。



<その2/赤字の繰越し>

では、上記のような給与所得等による天引きされた源泉所得税がない場合、赤字の申告をしてもメリットはないのでしょうか?
実は、青色申告の場合、赤字を3年間繰越す事が出来ます。 ※法人の場合は9年


例えば、平成27年に創業し、その年は△300万円の赤字、28年は、△150万円の赤字、29年は、△50万円の赤字だったとします。そして、30年は一気に、400万円の黒字になったとしましょう。

もし、30年になって、初めて確定申告をした場合、この400万円で納税額を計算します。所得税や、住民税を合わせると、「約50万円くらい」とまぁまぁの納税額となります。


ところが、27年から、コツコツと青色申告により赤字の申告をしていた方は【無税】です。


過去3年間の赤字の合計△500万円です。これを、30年の黒字400万円と通算すると、、、

 400万△500万=△100万 →マイナスとなり、30年も納税額は無し


つまり、この場合、約50万円の節税となるわけです。

しかも、まだ△100万円の赤字が残っており、翌年以降に繰越されます。


 厳密には下記のような計算になります。 

  ※赤字は、発生した年から3年間まで繰り越し可能


 27年の赤字

  △300万 + (30年の黒字のうち)300万 →ゼロ


 28年の赤字

  △150万 +(30年の黒字のうち)100万  →残り△50万  …31年迄繰越可能


 29年

  △50万のまま …32年迄繰越可能


 → 古い赤字分から補填されていくので、3年以内であれば、赤字を有効に使える


上の例では、開業後4年目から一気に黒字化しているので、レアケースに思われるかもしれませんが、事業が軌道にのって突然黒字化するのは、珍しい事ではありません。


なお、この赤字の繰越しというのは、「青色申告の特典」です。

青色申告の特典を受けるためには、青色申告の承認を【事前に】受けている必要があります。起業した年の場合、その期限は「開業日から2ヶ月以内」です。

※確定申告の提出時期(翌年2/16~3/15)になって、青色で、、、というのは無理なので注意が必要


所得税の青色申告承認申請手続


このように、初年度が赤字であっても、節税という目に見える形での様々なメリットがあります。

税法というのは、税の公平性を維持するため、融通の利かない法律です。例えば、決められた期限を守った人と、期限を守らない人を敢えて区別します。その代わり、税法上のルールを守った人、正直に申告した人には、特典を与えることも多くあります。

というわけで?(笑)、初年度から帳簿をつけてキチンと確定申告をしましょう。