Instagram

 サービス内容


いけだあきらのつぶやき

 2018/08/06

― 会計を活用した「売値」の決め方 ―


連日、異常な暑さが続いていますねぇ、、、マジおかしいです。

先日も、地下鉄の車内で十分に涼んだ後、地上に出たら「ここはサウナか?」と思うくらい、吸い込む息が熱くてビックリしました!


さて、今回は「会計を活用」することのメリットの1つを紹介します。


ずばり、「売値の決め方」です。これを知ったら、色々な応用が出来ますよ。ちょっと、長話になりますが、ご一読ください。


例題として、1種類の焼き菓子(@500円)だけを扱っている、通販専門のお菓子屋さんがあるとします。まずは、1ヶ月の売上げと、かかった費用を集計します。


①売上と経費を集計

売上高 500,000 ※焼き菓子 @500×1,000

――――

家賃:100,000

水道光熱費:30,000

リース料:10,000

通信費:20,000

広告宣伝費:20,000

ネット販売手数料:50,000

原材料費(仕入原価):150,000

――――

費用計 380,000


次に、費用を、変動費と固定費に分けます。


②変動費

変動費とは、売上の増減に応じて大きく変動する費用のことです。

小売店であれば、仕入原価がその代表です。この例題では、下記の2つを変動費と仮定します。

ネット販売手数料:50,000

原材料費(仕入原価):150,000

――――

変動費の計 200,000


③固定費

一方、固定費とは、売上の増減にかかわらず必ず発生する費用のことです。つまり②の変動費以外となります。もし、焼き菓子が1個も売れなくても、テナントの家賃は払わなければならず、固定費の代表例です。

家賃:100,000

水道光熱費:30,000

リース料:10,000

通信費:20,000

広告宣伝費:20,000

――――

固定費の計 180,000


<ここまでの数字を再確認>

売上高  500,000円  ※焼き菓子 @500×1,000

変動費 200,000

固定費 180,000

――――――――――

最終利益 120,000


次に、限界利益と、限界利益率を算定します。


④限界利益

限界利益とは、売上高―変動費のことをいいます。

500,000200,000 = 300,000


⑤限界利益率を算定

限界利益率とは、 限界利益/売上高 です

500,000200,000)/500,000 = 0.660%)

これは、売上げに占める限界利益の割合を表しており、粗利率と似ていますが異なる概念です。


<今月の状況のおさらい>

・@500円の焼き菓子1つを売る毎に、変動費(200円)を除いた、限界利益(300円)が残った

・限界利益率は、60

・今月は、1,000個売れたので、300×1,000個 = 300,000円の限界利益

・固定費:180,000

・今月の最終利益:300,000180,000120,000


<目標の売上高を試算>

生活費を考え、「せめて最終利益(180,000円)は欲しい!」とします。つまり、今よりも、60,000円の最終利益のアップを目指します。


A:売値を維持したまま達成する場合に、必要な販売数は?


必要な売上げを逆算します。

180,000:最終利益 + 180,000:固定費) / 0.6 = 600,000円:必要な売上高

 600,000/@500 = 1,200

 ⇒ 同じ値段のままなら、1月あたり1,000個から1,200個へ、販売数を増やす必要あり


B:販売数を維持したまま、値上げで達成する場合の売値は?


180,000:最終利益 + 180,000:固定費 + 200,000:変動費 = 560,000円:必要な売上高

560,0001,000個 = @560

 ⇒ 同じ販売数を維持出来るのであれば、60円の値上げで達成、


値上げ後も、今月と同じく 月1,000個が売れるのであれば、180,000円の利益が残ります。

この時、変動費はそのままで売値のみ増加しているので、限界利益率が上昇しています。

 ※限界利益率(560,000200,000)/ 560,000 0.64(約64%)


C:値下げ(2割引き)をして達成する場合に、必要な販売数は?


400円(@500円の2割引き)で販売すると仮定。1個あたりの変動費は200円のままなので、限界利益は200円にダウンし、限界利益率も0.5に低下します。

180,000:最終利益 + 180,000:固定費) / 0.5 = 720,000円:必要な売上高

 720,000/@400 1,800

 ⇒ 2割の値下げにより、1月あたり1,000個から1,800個へ、販売数を増やす必要あり


<3パターンのまとめ>

A案

500×1,200個=売上高:600,000 変動費:240,000 限界利益率:60% 固定費:180,000  最終利益:180,000

B案

560×1,000個=売上高:560,000 変動費:200,000 限界利益率:64% 固定費:180,000  最終利益:180,000

C案

400×1,800個=売上高:720,000 変動費:360,000 限界利益率:50% 固定費:180,000  最終利益:180,000


どうですか?


A案)同じ値段のまま、1.2倍の販売数を目指すのか?

B案)60円の値上げで、同じ販売数を目指すのか?

C案)2割引きをして、1.8倍も売りさばくのか?


今回の場合であれば、A案の1.2倍の販売数を目指すのが良いかもしれません。但し、販売数の増加は、時間と手間の増加を招きます。もし、美容院といった人に対するサービスであれば、顧客対応時間も1.2倍となり、労働の負担を考慮する必要があります。


理想は、言うまでもなく、値上げによる達成です。B案のように限界利益率が高いと、他よりも売上げも小さく、また販売数が少なくても目標達成です。「来月から値上げします」と対外的に宣言し、値札を変更するだけで終わるかもしれません。現実にはそんな甘くありませんが(笑)


値段とは付加価値のバロメーター※

提供する商品やサービスに、価格に見合った「付加価値」があるか否か、とても重要です。簡単ではありませんが、経営者はその「付加価値」を上げる努力を、常に続ける必要があります。


一方、C案では、現状の1.8倍を販売する必要があります。当然に、A案以上に、時間と手間の増加を招きます。怖いことに、安易に値下げした結果、沢山売れたと思って喜んだのに、実は最終利益が下がっていた、、、なんていう場合もあります。C案では、現状維持の120,000円の最終利益を維持するためには、なんと、1,500個の販売が必要です。

 ⇒ 最低でも「1,500個以上売れないと、かえって現状よりも利益が下がる!」

こういったカラクリを考慮せず、安易な値下げを行えば、完全に墓穴を掘ることになります。


※他に下記のような改善方法も※

・固定費を下げる(例:より安いテナント物件に引越をする)

・変動費を下げる(例:仕入れ先を変更する、売却マージンの低い得意先に変更する)


+++++


如何でしたか?


この手法は、様々な応用が出来ますし、もちろん他の業種でも使えます。

・個人事業主が、「自身の生活費を考慮した」売上げ目標を試算

・法人が、毎月の借入返済額を加味し、「資金繰りを考慮した」売上げ目標を試算


その他、下記のような分析も出来るようになります。

・限界利益率の近い商品ごとに「商品グループ」を分け、グループ毎に数字を管理する

・限界利益率の高い商品か、低い商品かを見極め、効率的な選択と集中を行う


変動費か固定費か区分けが曖昧な費用もありますが、売上げと呼応して、大きく増えたり減ったりする費用は変動費といえます。業種によっては、アルバイトの人件費が変動費になったり、特定の支払手数料(売却に応じて、増減する手数料など)が変動費になることもあり、業種や業態によって千差万別です。どの費用が、変動費か、固定費かを見極めることもポイントです。

  会計を活用すれば「自身の会計データに基づいた」「勘に頼らない」販売価格を決めることも可能に


会計とは、税務申告のためではなく、自身の経営に活かすためのものです。所得税や法人税の税額計算は、会計ではじき出された利益に、微調整を加えて算定しているに過ぎません。


いうまでもなく、経営の未来を正しく予測するためには、正しい数字が必要です。また、何ヶ月も前の数字を使ってもダメです。来年3月の確定申告の時になって、この8月の売上げが判明しても、数字としての価値は半減しています。

 ⇒ リアルタイムに正確な帳簿を作成し、ご自身のお商売のデータをどんどん蓄積していきましょう!


会計データとは、ご自身の経営に最も有効な、「実は一番身近にある『貴重なビッグデータ』」なんですよ。

 

2018/7/18


- ワールドカップが終わりました ー


ワールドカップが終わりましたねぇ。フランスの優勝や、ベルギーの躍進は予想通りでしたが、クロアチアが決勝まで来るとは驚きでした。一方、ドイツやポーランドの早期敗退にがっかり、、、でも、日本の善戦は全くの予想外で、あのベルギーを追い詰めたことには感動しました。


4年に1回しかない大会の後なので、今回の「つぶやき」はサッカーにさせて頂きます。サッカーに興味のない方は、適当に読み流してください(笑)

 

今回、ワールドカップで、個人的に嬉しかったことがいくつかありました。

 

プロフィールにも載せておりますが、私は、かなりのサッカー好き(サッカー自体はしません)でして、常日頃から欧州のサッカーを嗜んでおります。チャンピオンズリーグとブンデスリーガ(ドイツ)を中心に、プレミアリーグ(イングランド)やリーガエスパニョーラ(スペイン)等を、TV観戦しながら晩ご飯を食べるのが日課となっています。

 

<乾くんの活躍に感動>

 

20119月に訪独し一週間程旅行をしたことがあります。主な目的は、香川真司の所属するドルトムントの試合を見る為です。まずベルリンで数日間観光し、その後ドルトムントへ移動。試合の前日には、隣町のボーフムとシャルケのスタジアムへも行きました。


ボーフムでは、幸運なことに練習風景を間近で見ることが出来ました。この年、乾くんは、初の海外移籍で、わずか1ヶ月程前にボーフムへ来たばかりで、1年早くボーフムに所属していた、チョン・テセ(鄭大世/元北朝鮮代表)さんもいました。練習後、乾くんもテセさんも、とても丁寧に応対して頂き、サインのみならず立ち話をすることも出来ました。これはその時の写真です。


厚かましくも、テセさんに「乾くんはどうですか?」と聞いたところ、「チーム内で『乾は、別格』と既に思われているよ。」と言った言葉が印象的でした。一方、乾くんに「ドイツの生活はどうですか?」と聞いたところ、「こっちに来たばかりだけれど、(香川)真司やウッチー(内田篤人/元日本代表/元シャルケ所属)達も近くにいるし、生活は全然大丈夫。」と言ったことを良く覚えています。

 

セレッソ大阪でチームメイトだった香川真司は、ドルトムントでセンセーショナルなデビューを果たし、その後、日本代表でも10番を付けて、マンチェスターUにも一時所属し、2014年のワールドカップにも出場するなど、日本におけるサッカーの王道を歩んできました。


一方、乾くんは、セレッソ大阪からボーフム、そしてフランクフルトへと移籍し、それなりの活躍をしていましたが、残念ながら2014年のワールドカップには選ばれませんでした。その後、ドイツを離れ、スペインのエイバルへ移籍。多くの日本人が馴染めなかった、リーガエスパニョーラでの活躍が目にとまり、30歳にして初めてワールドカップのメンバーとなりました。

海外で苦労していた乾くんが、ワールドカップの登録メンバーに選ばれただけではなく、スタメンとして日本代表で結果を残し、一般にも知れ渡ることになったことに大変感慨深いものがあります。

 

1枚目の写真は、そんな乾くんがスターになる前の貴重な写真です。

ドルトムントの観戦がメインでしたが、今から思えば、ボーフムに立ち寄ったことも幸運でした。

 

 

<当時のドルトムントは凄かった!>

 

この2011年シーズンのドルトムントは、ブンデスリーガで優勝をしました。その時の主要なメンバーをみると、やはり凄いメンバーだったことが分かります。下記は、当時ドルトムントに在籍していた選手のうち、今回のワールドカップに選ばれている面々です。しかも、ほぼ全員が各国のスタメンです。

 

DF フンメルス(ドイツ)、ピシュチェク(ポーランド)

MF 香川真司(日本)、ギュンドアン(ドイツ)、ブワシュチコフスキ(ポーランド)、ペリシッチ(クロアチア)

FW レヴァンドフスキ(ポーランド)

 

今回の大会には選ばれていませんが、前回2014年大会の決勝で、あの歴史に残る「優勝を決めるボレーシュート」を決めた ゲッツェ(ドイツ)も、当時のドルトムントの主要メンバーの一人でした。監督もあの名将クロップ(現リバプール/今シーズンのCL準優勝監督)でしたし、蒼々たるメンバーです。

 

残念ながら、ドイツもポーランドもFIFAランキングの上位チームでありながら、早期敗退しましたが、クロアチアは準優勝を果たしました。そのクロアチアのスタメンとして、準決勝と決勝の両方の試合で、貴重なゴールを決めたのが、ペリシッチです。

2枚目の写真は、あの日、ドルトムントのスタジアムで手に入れた「ペリシッチの顔写真が印刷されたコップ」で、ビールを飲んでいる私です(笑)


実のところ、大会前の私の予想では、レヴァンドフスキ(ポーランド)が、一番フィーバーすると思っていたんですが、、、

正にワールドクラスの本格的なFWで、地元ポーランドでは、メッシやロナウド級のスーパースターです。でも、第3戦で日本と対戦する前に敗退が決まっていたので、一般の方々の印象には残りませんでしたね、、、あぁ残念。

 

ちなみに、下の写真は、超偶然の賜物です。この日観戦したドルトムント対アウクスブルクの試合で、レヴァンドフスキは、なんと4点をゲット。よほど嬉しかったのか、試合後にゴール裏の通路まで、わざわざ独りでファンサービスにやって来ました。たまたま、その場所に居た我々は、超ラッキーでした。

というわけで? 今回は、全てサッカーネタでした(笑)         

 

 2018/6/25

意外と知らない、創業時に確定申告をすることの特典

 

仕事柄、創業前や、創業間もない方の相談を受けることが多々あります。その際、「税務申告(=確定申告)は、儲かり始めてからすれば良い」と思っておられる方が意外に多くおられます。果たして、そうでしょうか?

法律上の話をすると、儲かっていようと儲かっていまいと、税務署に開業届を提出する必要があります。


ところが、初年度は大概赤字になることが多いです。そのため、多くの方は、どうせ赤字で納税額もないし、確定申告書を提出するのも面倒だから、、、となるわけです。

⇒実は、赤字であっても、初年度からキチンと確定申告書を提出すると様々なメリットを享受出来ます



<その1/給与から天引きされた源泉所得税が還付される>

創業した初年度というのは、年の途中迄、雇用されていた方が殆ど(所謂、脱サラによる開業)です。

このサラリーマン時代の所得税ですが、例えば、独身の方ですと、お給料が月88,000円を越えると所得税が天引きされています。月250,000円位のお給料だと、源泉所得税の額は約6,500円。

 → もし、10ヶ月間勤務していたならば、既に約65,000円の所得税を納めている

この天引きされた源泉所得税の額というのは、12ヶ月間そのお給料を貰い続けた場合(月250,000円であれば、年間3,000,000円の給与収入)に納めるべき所得税の【予想値】を12で割った額の近似値に設定されています。言ってみれば、所得税の前払いです。


話を分かり易くするため、①単なる転職の場合、②起業の場合、を比べてみましょう。


「①10ヶ月勤務して、転職のため一時的に無職になった場合」

年内に再就職先が見つからない場合、確定申告をすると、天引きされた所得税の一部が還付されます。具体的には、 月250,000円位のお給料で10ヶ月間勤務したので、年間2,500,000円の給与収入で計算します。
 → 正しい年税額は、約60,000円

ところが、既に約65,000円の所得税を納付済
 ⇒ よって、差額の 約5,000円が還付


「②10ヶ月勤務して、起業した場合」

開業の初年度は赤字の場合が殆どです。実は、この赤字は、給与所得と通算することが出来ます。

所得税というのは、1年間に得た個人の所得を全て合算して計算するので、いわゆる脱サラをして開業した場合には、サラリーマン時代の「給与所得」と開業後の「事業所得」を合算して算定します。
 ※給与所得に赤字という概念はないが、事業所得には黒字もあれば赤字もある

 → 事業所得が赤字の場合に給与所得と通算すると、全体の所得が減るので、還付額が増える!

たとえば、上記の場合(年間2,500,000円の給与収入)、開業した初年度の事業所得が、△1,200,000円以上の最終赤字になると、サラリーマン時代に天引きされた【65,000円全額】が還付されます。


このように、損益通算による恩恵を受けるためには、「開業しましたが、赤字です」という事業所得の確定申告が必要なわけです。



<その2/赤字の繰越し>

では、上記のような給与所得等による天引きされた源泉所得税がない場合、赤字の申告をしてもメリットはないのでしょうか?
実は、青色申告の場合、赤字を3年間繰越す事が出来ます。 ※法人の場合は9年


例えば、平成27年に創業し、その年は△300万円の赤字、28年は、△150万円の赤字、29年は、△50万円の赤字だったとします。そして、30年は一気に、400万円の黒字になったとしましょう。

もし、30年になって、初めて確定申告をした場合、この400万円で納税額を計算します。所得税や、住民税を合わせると、「約50万円くらい」とまぁまぁの納税額となります。


ところが、27年から、コツコツと青色申告により赤字の申告をしていた方は【無税】です。


過去3年間の赤字の合計△500万円です。これを、30年の黒字400万円と通算すると、、、

 400万△500万=△100万 →マイナスとなり、30年も納税額は無し


つまり、この場合、約50万円の節税となるわけです。

しかも、まだ△100万円の赤字が残っており、翌年以降に繰越されます。


 厳密には下記のような計算になります。 

  ※赤字は、発生した年から3年間まで繰り越し可能


 27年の赤字

  △300万 + (30年の黒字のうち)300万 →ゼロ


 28年の赤字

  △150万 +(30年の黒字のうち)100万  →残り△50万  …31年迄繰越可能


 29年

  △50万のまま …32年迄繰越可能


 → 古い赤字分から補填されていくので、3年以内であれば、赤字を有効に使える


上の例では、開業後4年目から一気に黒字化しているので、レアケースに思われるかもしれませんが、事業が軌道にのって突然黒字化するのは、珍しい事ではありません。


なお、この赤字の繰越しというのは、「青色申告の特典」です。

青色申告の特典を受けるためには、青色申告の承認を【事前に】受けている必要があります。起業した年の場合、その期限は「開業日から2ヶ月以内」です。

※確定申告の提出時期(翌年2/16~3/15)になって、青色で、、、というのは無理なので注意が必要


所得税の青色申告承認申請手続


このように、初年度が赤字であっても、節税という目に見える形での様々なメリットがあります。

税法というのは、税の公平性を維持するため、融通の利かない法律です。例えば、決められた期限を守った人と、期限を守らない人を敢えて区別します。その代わり、税法上のルールを守った人、正直に申告した人には、特典を与えることも多くあります。

というわけで?(笑)、初年度から帳簿をつけてキチンと確定申告をしましょう。

 

 2018/05/09

- 事業承継にまわる個人の税金 -


GWはあっという間でしたね。

祝日が多いと嬉しいものの、そのあとの予定がタイトになりがちです。


さて、ここ最近、事業承継の話が世間を賑わすようになってきました。

 ※税法のトピックス:平成304月に改正された「特例事業承継税制」がスタート


個人の事業承継の場面では、どういう税金が発生するかご存じですか?


<例>

経営者:父(個人事業主)

事業承継予定者:息子

お店の建物:父名義で所有


既にお店の経営は息子が舵取りを行っているものの、建物は父名義のままです。

父名義のままで「息子が父に家賃を払う」といった手法もありますが、息子に名義変更する場合を考えてみましょう。


<父の存命中に変更する場合>

①タダで、息子にあげる

②息子からお金を貰って、息子に売る

<亡くなった後に変更する場合>

③タダで、息子が相続する


どうですか?

①が一番良いと思いますよね。息子からお金を貰う必要もないしタダであげるよ、と。

②だと、親子間で、敢えてお金を払うわけです。

③の場合、父が亡くなるまで待つ必要があります。


この場合に、想定される税金は、

①贈与税

②譲渡所得税

③相続税

となりますが、この中で一番税金が高いのは、①贈与税です。

タダで貰った息子が、高い贈与税を負担することとなります。


「タダなのに、なんで?」と思いますよね。

理由は、③相続税の存在です。③相続税とは、ある一定以上の財産を持っている方が亡くなられた場合、財産を受け取った相続人が負担する税金です。


もし、①贈与税がなければ、どうしますか?

みなさん、相続税が発生する前(=存命中)に、財産を子供達に移しますよね。つまり、①贈与税がなければ、③相続税は有名無実化します。

そこで、税法では、①贈与税という「③相続税より【高い】税金」を課しています。

言ってみれば、相続税逃れによる不平等を防止するための補完として、贈与税があるわけです。

贈与税の非課税は、年間で110万円です。110万円を超える財産(お金や不動産、株など)をタダであげてしまうと贈与税が発生します。


このことが、実際の事業承継で障壁となります。

おそらく、事業承継の際に、相続税の負担を免れようと思って息子に財産を譲ろうと思っている経営者はいないと思います。

「もう息子も立派になったし、自分はそろそろ引退して、お店の建物は息子にあげよう」と。

 

一方、相続税の非課税は「3,000万+600×相続人の数」です。奥様と子供2人なら、4,800万円までは無税となります。

「じゃあ、父が亡くなる迄、建物は父名義のままにしておくか、、、」というパターンが出てくるわけです。

この贈与税ばかりに目が行くと、父の財産はいつまで経っても、次の代に移行しません。


これは、経済面からみると、とても不効率なことです。

経済の為には、お金を使う機会の少ない高齢者よりも、お金を使う機会の多い現役の世代に財産を移した方が良いのは自明の理です。

もちろん、このことは、国も十分に理解しています。


というわけで、、、

実は、贈与税の特例として、以下のような制度があります。


直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税

直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税


これらは、【生前における贈与を促進】するための制度で、ここ数年に新設・拡充されました。

冒頭に記載した「平成30年度 事業承継税制」もその一環です。


税金の公平さを維持するための贈与税の存在が、反って、事業承継を阻害し、経済に悪影響を与える結果に、、、

このように、税金と経済はいつも仲が悪いんです。

 

2018/4/2

 - 新しい年度のはじまり -


今年は、桜が例年より早く開花したようですね。

私の近所にも沢山の桜があり、移動の際、わざわざ桜の多い場所を選んで愉しんでいます。

昨日は、行ったことのない桜の名所にも行きました。


さて、新たに平成30年度がスタートしましたが、商いをする際の【事業年度】をご存じですか?

                        

<個人の場合>

Q1)事業年度は?

 1月1日~1231

Q2)確定申告の期限は?

 315


<法人の場合>

Q1)事業年度はいつまで?

 法人が決めた日(=決算日)

Q2)確定申告の期限は?

 決算日から2ヶ月後


個人は、「暦年課税」といって、事業年度を自由に決める事は出来ません。よって、個人でお商売されている方は、必ず315日迄に確定申告をしなければなりません。一般の納税者(年金受給者やサラリーマンの方など)も同じのため、我々税理士業界の繁忙期は、必然的にこの時期となります、、、


一方、法人は自由です。

「え?自由?」と、びっくりされる方は多いですね。現実には、様々な要因により331日の会社が多い(その場合、531日が確定申告期限)のですが、半年違いの930日や、個人と同じ1231日を決算日にする法人もよくあります。

ちなみに、決算日は末日でなくともOK。20日でも構いません。もし今月の420日が決算日なら、620日が確定申告期限となります。また、期間も1年でなく半年でもOK。


一般に、決算月は、繁忙期や売上げの多い月、棚卸しの多い月は避けるべきとか、確定申告の月(※法人税の納付が必要)とキャッシュアウトの多い月は重ならないようにすべき等々、、、色々な見解があります。

自由とはいえ、決算日は様々な事に関わってきますので、よく熟考しましょう。


皆様にとって、良き新年度でありますように。